それから、デュボス。実を言うと私は個人的にこの人の歌声が大好きで仕方ない。といってもこの歌手は、いわゆる「派手な」歌いぶりをする人では決してない。どちらかといえば声は細く、声量はやや物足りないとも言える。しかし、冷たく澄んだせせらぎを思わせるような透明感は、余人には見出せない稀有なものである。表現は常に繊細で、溢れ出す感情を知的にコン